ケーニーズの考え
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お知らせ
子どもの個性を伸ばす
2021年10月27日

はじめに

子育てや保育について話していると「個性」という言葉をよく聞きます。
「個性を伸ばす」「個性の尊重」「個性を大切に」など聞いてポジティブな印象を受けますが、いざやってみようとするとどうしたら良いのか迷ってしまいますよね。

それは個性というものが今一つ曖昧で「他者と違う事」と「個性」が混同されているからです。
習い事をして身についたものが将来的に個性につながるのかもしれませんが「周りの人と比べて何かを優れて習得している」であって「個性」というより「個別性・特技」という事になります。では個性とは何なのか、個性を伸ばしていくにはどうしたら良いのか考えてみましょう。

個性(パーソナリティー)とは

その人の外側にあるものではなく内側にあるもの。ありのままの自然な状態。一言でいえば「自分らしさ」という言葉に置き換えられます。
・生まれながらの要素として現れる気質
・親や周りの人との関わりや経験を通して行動や感じ方からくる性格
・社会的な活動や対人関係を通して形成される人格
などあらゆる要素を含めて表現される物、それが個性です。

 

アメリカの精神科医トーマス博士の生まれながらの「9つの気質」

1.活動性(テンションの高さ、身体の動き)
2.集中力(没頭する、飽きっぽい)
3.粘り強さやこだわり(あきらめやすい、言い出したら聞かない、へこたれない)
4.新しい環境への反応の仕方(積極的、消極的、人見知りや物怖じしない)
5.生理的な規則性(食事や睡眠、排せつなどの生活リズムの規則性、ルーズ)
6.変化に対する適応の速さ(状況や環境、人間関係などの変化に対する順応性、臨機応変)
7.五感の敏感さ(外敵(着心地など含む)や内的な刺激、あまり気にならない)
8.喜怒哀楽の激しさ(よく笑うのか、泣くのか、感情を表に現わさない)
9.元々の気性(ご機嫌、気難しい)

まず心得ておくことは、個性とは良い点だけではないという事です。子どもと向き合うという事は「欠点も尊重する」それが個性を尊重するという事になります。
子育てや保育は学校で教わる事とは少し違います。
できないことや思うようにいかない事などがあったとしても、最初は否定せず受け止めこの子のために何ができるだろうという関わりから始まります。
周りの子と比べて悩み事や心配事が出てきますが、その子のペースに合わせてじっくり付き合っていくのも良いかもしれませんね。

 

個性は長所だけではない

給食を食べきれなくて掃除の時間になっても食べ続ける事が当たり前の時代がありました。食べられるようになって欲しいという気持ちや「こうあるべき」という気持ちが子どもの自尊心を傷つけ「私は他の子より劣っている」と劣等感を持たせてしまうこともあります。
また、例え食べられるようになったとしても大人の期待に応えただけで子どもが自発的な意欲で頑張ったのではありません。子どもの成長において「できる、できない」「成功や失敗」だけではなく、挑戦したことやその過程を認め、ありのままを受け止めることが大切です。
「できない自分を受け止めてくれた」と自己肯定感を感じ、色々な物事に挑戦したり乗り越えようという意欲や物事をやり抜く力につながり非認知的能力の素となるのです。

 

子どものモチベーションを上げるために

子どもが自ら進んでいくためには「やってみようとする意欲」モチベーションも大切です。子どもに限らず人は自分のことを認められて前向きになり、認めてくれた人に対して信頼感が生まれます。考えを押し付けるのではなくて子どもの主体性を信じて待つという姿勢を持っていると子どもは大きく成長していくでしょう。

 

全部ひっくるめて個性

子どもの生まれながらの才能を活かすことができれば、その子自身の幸せにつながるばかりでなく親にとっても嬉しいことです。
才能といわれると能力上の強みばかりを重要視してしまいがちですが、性格上の特性もれっきとした才能の一つです。
視点を変えると個性を知ること深めることで、その人にしかない能力や才能が発見されることがあります。時として子どもから学ぶことも多くあります。
・純粋にものを見る力
・好きなものに対する情熱
・感情を味わう事
・体を通しての感情表現
このように大人が気付かせられることがあります。
子どもの興味や関心ごとを知ったり深めたり、体験する機会を作ったり表現の場を作ったりして子どもと一緒に大人も取り組むことをお勧めします。

 

まずは一番気になるものから取り組んでみる

どんな体験をすればもっと楽しむことが出来るかを考え、体験の機会を作ることで興味関心が深まります。例えば動物の写真を撮ってみたり絵をかいたりなど、表現をして楽しんでみることが大切です。それを繰り返し行い能力を磨いていきます。
自分のやっていることが楽しくなってくると子ども自身が将来のことを考えるようになり、苦手なものでもやってみようという気持ちに変わってきます。
子どもは体を使って納得いくまで作ったり表現したりしていくことで才能や能力がどんどん開花していきます。そこから自分の進むべき道が見えていき自立心が育ち自分のことに責任が持てるようになります。

 

まとめ

個性をどんどん発揮して苦手なことにも挑戦し克服することによって子どもの人生が楽しくなればいいですね。家族みんなで話し合い個性を伸ばしていってください。